1.主任技術者と監理技術者

建設業法では、建設工事の適正な施工を確保するため、工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる者として主任技術者又は監理技術者の設置を求めています。

建設業法においては、建設工事を施工する場合には、工事現場における工事の施工の技術上の管理をつかさどる者として、主任技術者を置かなければならないこととされています。また、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額の合計が五千万円(建築一式工事の場合は八千万円)以上となる場合には、特定建設業の許可が必要になるとともに、主任技術者に代えて監理技術者を置く必要があります。

主任技術者又は監理技術者となるためには、一定の国家資格や実務経験を有していることが必要であり、特に指定建設業(土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業及び造園工事業)に係る建設工事の監理技術者は、一級施工管理技士等の国家資格者又は建設業法第十五条第二号ハの規定に基づき国土交通大臣が認定した者(以下「国土交通大臣認定者」という。)に限られます。

2.主任技術者と監理技術者の役割

元請業者は、施工体制の整備及び監理技術者等の設置の要否の判断等を行うため、専門工事業者等への工事外注の計画(工事外注計画)を立案し、下請契約の予定額が五千万円(建築一式工事の場合は八千万円)以上となるか否か的確に把握しておく必要があります。配置された主任技術者及び監理技術者は、建設工事を適正に実施するため、施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければなりません。具体的には、建設工事の施工に当たり、施工内容、工程、技術的事項、契約書及び設計図書の内容を把握したうえで、その施工計画を作成し、工事全体の工程の把握、工程変更への適切な対応等具体的な工事の工程管理、品質確保の体制整備、検査及び試験の実施等及び工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理を行うとともに、当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督を行うことが職務内容です。なお、元請の監理技術者・主任技術者と下請の主任技術者は、下記の表のとおり職務が区別されます。

元請の主任技術者及び監理技術者下請の主任技術者
役割○請け負った建設工事全体の統括的施工管理○請け負った範囲の建設工事の施工管理
施工計画の作成○請け負った建設工事全体の施工計画書等の作成
○下請の作成した施工要領書等の確認
○設計変更等に応じた施工計画書等の修正
○元請が作成した施工計画書等に基づき、請け負った範囲の建設工事に関する施工要領書等の作成
○元請等からの指示に応じた施工要領書等の修正
工程管理○請け負った建設工事全体の進捗確認
○下請間の工程調整
○工程会議等の開催、参加、巡回
○請け負った範囲の建設工事の進捗確認
○工程会議等への参加※

品質管理○請け負った建設工事全体に関する下請からの施工報告の確認、必要に応じた立ち会い確認、事後確認等の実地の確認○請け負った範囲の建設工事に関する立ち会い確認(原則)
○元請(上位下請)への施工報告
技術的指導○請け負った建設工事全体における主任技術者の配置等法令遵守や職務遂行の確認
○現場作業に係る実地の総括的技術指導
○請け負った範囲の建設工事に関する作業員の配置等法令遵守の確認
○現場作業に係る実地の技術指導

※ 非専任の場合には、毎日行う会議等への参加は要しないが、要所の工程会議等には参加し、工程管理を行うことが求められます。

3.専任の配置技術者

公共性のある施設若しくは工作物⼜は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事(以下「公共性のある重要な建設工事」という。)に設置される監理技術者等は、工事現場ごとに専任の者でなければなりません。公共性のある重要な建設工事とは、戸建て住宅を除くほとんどの建設工事であって、工事⼀件の請負⾦額が4,500万円(建築一式工事の場合は9,000万円)以上の工事を言います。必要な資格要件は下記の表でまとめられています。例外規定は4つほど存在しますが、運用するには定められた要件をクリアする必要があります。

許可業種指定建設業7業種(土、建、管、鋼、電、舗、園): 5,000万円(※1)以上指定以外22業種: 5,000万円(※1)以上
元請業者許可区分特定一般(※2)特定一般(※2)
配置技術者監理技術者主任技術者監理技術者主任技術者
資格要件①1級国家資格者
②大臣認定
①1級・2級国家資格者
②登録基幹技能者
③指定学科+実務経験
④実務経験10年
①1級国家資格者
②指導監督的実務経験
①1級・2級国家資格者
②登録基幹技能者
③指定学科+実務経験
④実務経験10年
現場専任公共性のある工作物に関する建設工事であって、請負金額が4,500万円(※3)以上となる工事公共性のある工作物に関する建設工事であって、請負金額が4,500万円(※3)以上となる工事公共性のある工作物に関する建設工事であって、請負金額が4,500万円(※3)以上となる工事公共性のある工作物に関する建設工事であって、請負金額が4,500万円(※3)以上となる工事
監理技術者資格者証現場専任が必要な工事の場合必要不要現場専任が必要な工事の場合必要不要
下請業者許可区分一般
配置技術者主任技術者
資格要件①1級・2級国家資格者
②登録基幹技能者
③指定学科+実務経験
④実務経験10年
現場専任公共性のある工作物に関する建設工事であって、請負金額が4,500万円(※3)以上となる工事
監理技術者資格者証不要

※1:建築一式工事の場合は8,000万円。なお、下請に回す合計額には元請が提供する材料等の価格は含まない。
※2:下請に回す合計額が1件でも5,000万円以上があれば特定許可が必要
※3:建築一式の場合は9,000万円